フィルム解体新書 -奥山順市の実験-

3月26日(日)北海道立近代美術館  講堂

ご予約・お問い合せ/nfc@filmfilmfilm.org

※フリーパスをご予約の方は、伊藤隆介特製・解説資料がもらえます!

北海道立近代美術館
HOKKAIDO MUSEUM OF MODERN ART
〒060-0001  札幌市中央区北1条西17丁目

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第1部

11:00 - 12:20〈映画上映〉

「映画の解体と組成」

映画のフィルムとは何者なのか?

第1部の上映では、初期の制作テーマとして掲げられた『映画解体計画』(1968~72年)から、

その後の『映画組成計画』へと展開する奥山氏の作風に注目し、プログラムしています。

映画を作り出す機構やフィルムの物理的な脆さを暴きながらも

ラディカルに表現へと昇華する奥山氏の映画世界をご覧ください。

全て16ミリフィルムによる上映となります。

「Frameless 35(16mm版)」

1968/3分/16mm

段ボールにたまった、ご用済みのネガフィルムの山。

スナップ写真や、学生証用の顔写真等、映画とは全く無関係な目的で撮影した物ばかり。これを〈処分しよう〉、と決意した時に閃きを得た。

非連続の連続。通常の映画のフレームを持たないフィルムを映写したらどうなるか、いてもたってもいられなくなった。



「切断(収録版)」

1969/15分/16mm

映写フィルムにつなぎ込まれた生の素材、紙、木の葉、ビニール、6ミリの録音テープ、毛髪等によって、映写中にフイルムが切断してしまう。

映写の度にフィルムが切れて短くなるので、作者はこれを『消滅映画』と名付けた。



「OUTRAGE 」(手ごめ)

1970/3分/16mm

通常にカメラで撮影した16ミリ・フィルム(モノクロのリバーサル)を現像途中に爪を使って暗室内で暴力的に加工する。やがて、撮影したはずの映像は埋没し、黒白なのにブルーがかったグレーの帯がフィルム上にできあがる。



「NO PERFORETIONS(収録版)」

1971/10分/16mm

パーフォレーションの無い16mm巾のフイルムを、手で引っ張りながら送って行くが、ちょっとスピードが遅いと、スリップし映写機の熱で溶けてしまう。

ヴイジュアルは、溶けた映像を再撮影しており、多層構造のイメージを持っている。上映プリントは1回限りでゴミになってしまう「使い捨て映画」の元祖。



「Le Cinema」(映画)

1975/5分/16mm

テーマは、<映画の時間>である。アメリカ製の映画フィルムからちぎった、顔のアップの24コマ(1秒)の映像を素材にした。実写映像を写真に起こし、アニメの技法を用いたコマ撮り撮影で制作。



「MOVIE WATCHING」

1982/12分/16mm

子供の頃、場末の映画館でしょっちゅう見ていた目違い映写(通称、お二階さん)をテーマにして、どんな目違いを起こしても絶対、目違いにならない最強の映画を作ろうと思った。

海。水平線の海。35ミリフィルム一目分だけの海。たった一目分の映像が散々な目違いをおこしていく。



「光の中で 」

1999/7分/16mm

映画を観る事についての映画。映写機の中で何が起こっているのか…、映写ランプの内部の状態をスクリーン上で観ることにした。これは、客席の背後を〈見る=意識する〉映画である。



「浸透画」

1994/9分/16mm

撮影機材を一切使わずに制作した作品。糸や紐等を手当り次第フィルムに巻付け自家現像。現像液がフィルムに付着する加減で微妙な濃淡が現れ、全く新しい映像が生みだされた。



「まぜるな」

2008/5分/16mm

映像を観よ! イメージはチカチカ。 サウンドはボツボツ。

黒点は現像液。白点は定着液。私は、現像液と定着液を生フィルムに直接ペイントしてこの作品を制作した。“暗室作業を白日の下にさらせ”をスローガンに、私は、現像・定着の魅力に独自の美学で迫ったのだ。



第2部

13:30 - 14:30〈トークセッション〉

「表現媒体としての映画フィルム」

作家が発掘するシステムに潜む表現

奥山氏による作品解説とともに、”表現メディアと作家”という視点から、映画フィルムの特性や魅力について分析する。

ゲストスピーカーには美術家・映像作家の伊藤隆介氏を迎え、モデレーターは映像作家の大島慶太郎が務める。

奥山順市 × 伊藤隆介 × 大島慶太郎


第3

15:30 - 16:30〈ライヴ・パフォーマンス〉

「拡張する映画フィルム」

映画のフィルムはどこへ向かうのか?

奥山順市のライヴ・パフォーマンスは、正に身体を駆使した映画の生成。

映写室から飛び出したメカ、フォーマットから解放されたフィルム、指先、ボイスが渾然一体となり、表舞台で即興映画を演じる。

使用機材:W8映写機、16mm映写機、ブラウン管モニター、SDカード、回転式映写台、マイク、フィルム。予測不能、その場限り!

「Filmusica CloseOpen 2017」

ライヴ・パフォーマンス/10分予定

 

「わっか2017」

ライヴ・パフォーマンス/15分予定

 

「W8は16mm / ライブ版ミニ」

ライヴ・パフォーマンス/15分予定


奥山 順市

Jun'ichi OKUYAMA

1947年東京都生まれ。日本における構造系実験映画のパイオニアであり、今現在も作品を発表する度に映画フィルムにおける表現的イノベーションを導き出し続ける。映画フィルムに対する情熱と、独特なユーモアも交えた作家性は、最新のメディアアーティトへの影響力も大きい。早くから国際的な評価を受け、国内外での上映はもとより、代表作はアメリカ、日本の美術館等に収蔵され、ライヴ・パフォーマンスも精力的に発表している。2016年、TATE MODERNでの日本の拡張映画特集や欧州最大級の映画祭ロッテルダム国際映画祭のsound//vishon特集にて上演する。

 

奥山順市ホームページ